大阪維新の会 佐々木りえ 「ママでも頑張ります!」

基本理念

 私が政治を志したのは、平和でつつがなく暮らしていられるこの日本への大きな感謝と、さらに大きな危機感を感じるからです。日本は本当に素晴らしい国です。
蛇口をひねればきれいなおいしい水がいくらでも出てきます。 外国のように、一日のうち何回も停電するなんてこともありません。私たちが「当たり前の生活」と思っていることが、実は世界では全然「当たり前」ではありません。 それというのも、敗戦という七十年前の大きな挫折から、おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんたちが本当に頑張って、これほどまでに成長した我が国を私たちへ受け継いでくれたという、努力の賜物が日本には残っているからです。
しかし今、日本は大きな危機の中にあります。大国のパワーバランスが刻々と変化していく中で、自助自立することを忘れてきた日本は、その大きな流れに飲み込まれ、国益を主張することすらおぼつかないありさまです。経済は一流、政治は三流と揶揄されたこともあります。しかしながら、これまではそれでよかった。なぜなら米ソの二大巨頭のパワーバランスが保たれた状況においては、日本は米国にぶら下がることで、国際政治の場で国家の意思を主張する必要がなかったし、その力も持たなかったからです。この冷戦体制が終わって二十年。ときを同じくした日本の、経済的にそして政治的に「失われた二十年」と被っているのは偶然でしょうか。私は違うと思います。冷戦構造が崩壊したときに、本来は、それまでの政治・統治のあり方から脱却して、新しい日本の「かたち」を作り出す。その仕事を、日本の政治家はしなければなりませんでした。しかし、その大仕事から目を逸らして、旧来の政治のやり方を継承してきたために、二十年間も、停滞どころか後退というありさま。その現状を打破しなければならないのです。  

 橋下共同代表の下に、この思いを持った仲間が結集したのが、「大阪維新の会」です。私たちの政党には、自民党や民主党で長らくキャリアを積んで来られた方々も居ます。ベテランも若手も、「今までのままではいけない」と、それまでの大政党所属メンバーという地位を捨て、ゼロから発起したのが大阪維新の会です。維新の党のルーツは、大阪にあるのです。  

 維新の党は「自立する国家・自立する地方・自立する個人」を掲げています。自立とは、決して「自己責任」という言葉で個人を切り捨てるということではありません。行政を徹底的に効率化し、無駄を徹底的に省く、そして余裕が生まれたところで本当に援助を必要としているところに予算を配分するのです。そのための道州制であり、そのための地方分権という、当初よりマニフェストに掲げられている統治機構の改革の目的はそこにあります。これまで自民党も民主党も、道州制や地方分権の必要性は、口先では訴えてきました。しかし、政権を担っていた二大政党が、なぜ実現できなかったのでしょう。本気で実現する気がないからか、それとも官僚の抵抗に対抗する力がないのか。どちらであったとしても、訴えてきたことを実現できないままで放置することは、政治家として恥ずべきことだと思います。我々維新の会は違います。国民の皆様に約束したことは必ずやり遂げ、その実績を一つずつ積み重ねて来たからこそ、地元大阪で大きな信頼を勝ち得て来れたのです。

 改革を進める中で、皆様にとって耳の痛いことも言わなければなりません。例えば、生活保護です。生活保護制度は、生存権について規定した憲法二十五条の理念を具体化した制度ですから、最後のセーフティーネットとして生活保護を廃止することは絶対にできません。しかし、本当に必要な人に確実に利用していただける制度になっているのか、あるいは必要ない人が不正に受給して、財政を圧迫していないか。制度を守るためにこそ、その実質的内容と運用についての再チェックが必要です。また、全額無料になる医療費の扶助も、適切に執行されているのか、切り込んでいかなければなりません。議員定数についても、削減を考えなければなりません。議員とは本来有権者の皆様の代弁者であり代表者ですから、多ければ多いほど政治にその声が反映され易いシステムが、有権者のためには良さそうです。

 しかし、削減をしなければなりません。なぜなら大きな改革には痛みを伴うからです。その痛みはいわゆる「既得権者」や官僚・公務員と呼ばれる方々に集中します。その一方で、これら「既得権者」や官僚・公務員の方々も国民です。一人ひとりに生活があり、家族がいます。そこに切り込んでいくために、市長、知事、議員がまず模範として身を切る覚悟を示さなければならない。これがリーダーシップです。維新の会は大阪で、百九あった議席を八十八に減らしました。議員報酬も三割削減しました。

 私には幼いころから夢がありました。私はその夢を一度叶えることができました。しかし、同世代の仲間たちを見ると、夢を抱いて実現のために頑張っている姿が見えて来ません。それが私にはどうしても不思議でした。でも、あるとき気づきました。そんな夢を追いかける前に、目の前の日々の暮らしだけで精一杯、夢を追いかける余裕もなかったのでした。それからすると、私は恵まれていました。両親も健在ですし、夢を追いかける時間も、経済的余裕も与えてくれました。しかし、私たちの世代の多くは、失われた二十年の中で成長しました。そして今未来に責任を持つべき立場として、経済社会の中核に位置するようになりました。これからの世代には、日々生きることだけで精一杯、そんな思いをさせたくない、夢を持てる社会を残していきたいと強く思います。

 私が住之江に暮らし始めてから、母子共に健康で活動を続けてこれたのも、皆さまからの強いお支えを受けることができたからこそです。政治活動自体は今回が初めてではありませんが、だからといって、これまで一人だけで政治活動を行うことは常に不可能でした。皆様やボランティアの方々のお支えが全てです。と同様に、皆様の生活や日本をより良く変えるために大阪都構想を実現することも、大阪維新の会のメンバーだけでは不可能なのです。皆さまと、手と手を取り合い、力を合わせれば、大きな力になります!私は、皆様から受けたご恩にすぐに報いることはできないかもしれません。しかし、皆様のお子さん・お孫さんへ、必ずや今日の感謝の気持ちを繋がせて頂きます。